「支配の悪魔」マキマは本当に「悪」だったのか? 彼女の歪んだ愛と目的
- Ka T
- 11月17日
- 読了時間: 3分
こんにちは、漫画ブロガーのオサムです。
『チェンソーマン』第1部を読み終えた誰もが一度は考えること。それは、ラスボスとして立ちはだかったマキマという存在についてです。
彼女は、内閣官房長官直属のデビルハンターとして圧倒的なカリスマと恐ろしいほどの強さを見せつけました。しかし、物語が進むにつれて明らかになるのは、彼女の冷酷で非情な側面。
アキを「最悪の形」で死に追いやり、パワーを何の躊躇もなく殺害し、デンジの心を徹底的に破壊しました。彼女の行動だけを見れば、彼女は紛れもない「悪」そのものです。
では、彼女は本当にただの「悪」だったのでしょうか?
彼女が目指した「より良い世界」
マキマの正体は「支配の悪魔」。彼女の行動原理は、すべてある一つの目的のためにありました。
それは、「より良い世界」を作ること。
彼女はチェンソーマン(ポチタ)が持つ「食べた悪魔の存在を消し去る」能力を使い、この世から死、戦争、飢餓といった「世界を悪くする概念」そのものを消し去ろうと企んでいました。
この目的だけを見れば、ある意味で「正義」や「理想」と呼べるかもしれません。しかし、彼女の問題は、その手段を選ばない冷酷さにあります。彼女にとって、デンジもアキもパワーも、その大いなる目的を達成するための「駒」でしかなかったのです。
歪んだ「愛」の形
マキマは「支配」の悪魔であるがゆえに、根本的な欠陥を抱えていました。 それは、**「対等な関係を(誰とも)築けない」**ということです。
彼女は他者を「支配する」か「支配される」かでしか認識できません。だからこそ、自分より高次な存在(と彼女が信じていたチェンソーマン)に支配されること(=食べられること)を望み、それ以外の人間はすべて支配対象としてしか見ることができませんでした。
彼女がデンジに見せていた優しさや好意も、すべては彼の中のポチタを引き出すための「支配」の一環でした。
しかし、物語の最後、デンジはマキマを「食べる」という形で彼女と一体になります。その行為は、マキマが唯一理解できなかった「愛」の形(=無条件に相手を受け入れること)だったのかもしれません。
結論:マキマは「悪」だったのか?
オサムの結論としては、**「彼女の行動は紛れもなく『悪』だが、その動機は歪んだ理想と愛に基づいていた」**と考えます。
彼女は「支配」という能力に縛られた、ある意味で最も哀れな存在だったとも言えます。彼女が求めた「家族のような関係」は、皮肉にも彼女が消滅した後に転生した「ナユタ」へと引き継がれることになります。
マキマは、単純な「悪役」という言葉では到底片付けられない、恐ろしくも魅力的なキャラクターです。だからこそ、私たちは彼女の存在にこれほどまでに惹きつけられるのでしょう。
あなたは、マキマという存在をどう思いますか?
(オサム)
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