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『呪術廻戦』の呪いは実在した?『魔法辞典』で元ネタを徹底考察!

  • 執筆者の写真: Ka T
    Ka T
  • 11月9日
  • 読了時間: 4分

こんにちは!漫画ブロガーのオサムです。

『呪術廻戦』、本当に面白いですよね!魅力的なキャラクター、派手なバトルもさることながら、やはりその根幹にある「呪い」という設定が、作品に恐ろしさと深みを与えています。

作中では、「呪い」とは人間の負の感情(恐怖、嫉妬、憎悪など)が漏れ出して形になったもの=「呪霊」として描かれています。

ふと、私は思ってしまいました。

「『呪術廻戦』の呪いって、元ネタがあるんだろうか? もしかして、実在した……?」

そこで今日は、私の愛読書である『魔法辞典』(山北篤 監修)を片手に、この「呪い」のルーツを徹底考察してみたいと思います!


『呪術廻戦』の「呪い」は実在した?


結論から言うと、「呪霊」そのものはいなくとも、「呪い」の概念と技術は、古今東西、実在しました。

『魔法辞典』を読み解くと、『呪術廻戦』で描かれる呪術の多くが、現実の魔術理論にがっちり基づいていることがわかります。


1. 「呪い」の二大基本理論


『呪術廻戦』で描かれる呪術は非常に体系的ですが、そのルーツは現実の魔術理論に見ることができます。

『魔法辞典』によると、魔術の根本的な法則として、19世紀の人類学者フレーザーが提唱した「共感魔術」という考え方があります。これは大きく二つに分けられます。


① 類感魔術:「似たもの」で呪う


これは、「似たものは互いに影響をおよぼしあう」という理論です。

ピンと来た方も多いのでは? そう、釘崎野薔薇の「芻霊呪法(すうれいじゅほう)」で使う藁人形。これは、呪う相手に「見立てる」ことで呪いを実行する、まさに類感魔術の典型です。

日本で古来から伝わる「丑の刻参り」も、藁人形に釘を打ち込むことで相手を呪う、代表的な類感魔術の一つとして『魔法辞典』に紹介されています。


② 感染魔術:「繋がったもの」で呪う


これは、**「一度接触したものは、離れても影響をおよぼしあう」**という理論です。

これも野薔薇の術式、「共鳴り(ともなり)」が分かりやすい例です。呪う対象の体の一部(作中では腕)を入手し、それを媒体にして本体にダメージを与える。

『魔法辞典』によれば、まさに「肉体から切りとられた爪や髪の毛」は、持ち主と神秘的な力でつながっていると信じられ、呪術に欠かせない品とされてきました。

『呪術廻戦』の術式は、こうした現実の魔術理論をベースに構築されているんですね!


2. 「負の感情」が生む呪い = 日本三大怨霊


『呪術廻戦』の「負の感情が呪力を生む」という設定。これこそ、日本の歴史と信仰に深く根ざしています。


怨霊信仰と菅原道真


日本では古来から、非業の死を遂げた人物が「怨霊(おんりょう)」となり、祟りを起こすと恐れられてきました。

その代表格こそ、最強の呪術師・五条悟の先祖とされる「菅原道真(すがわらのみちざね)」です!

『魔法辞典』の表紙にもその名が記されている道真は、平安時代、政争に敗れて太宰府に左遷され、失意のうちに亡くなりました。彼の死後、都では災害や疫病が相次ぎ、人々はこれを道真の「祟り(呪い)」だと心の底から恐れたのです。

この強大すぎる「負の感情(怨念)」を鎮めるため、人々は彼を「天神様」として神に祀り上げました。

まさに、強大な負の感情が、神として祀らなければならないほどのエネルギー(呪力)になった実例と言えます。


3. 「呪い」を祓う技術


『呪術廻戦』では呪術師が呪霊を祓いますが、現実世界にも「祓う」技術はもちろん存在します。

  • 悪魔祓い(エクソシズム)

    『魔法辞典』によれば、西洋では悪魔(デモン)が人間に取り憑き、苦しめると信じられていました。これを祓うのが「悪魔祓い」です。聖職者(エクソシスト)が聖水を振りかけたり、祈りを唱えたり、十字架を突きつけたりして悪魔を祓ったとされます。

  • 呪禁(じゅごん)と調伏(ちょうぶく)

    一方、東洋では「呪禁」や「調伏」という技術がありました。これは陰陽道や道教の呪術で、呪文や印(手印)によって「鬼神を調伏(ちょうぶく)」するものです。

    これはまさに、『呪術廻戦』で術師たちが印を結び、呪霊と戦う姿と重なりますね!

    そして、この道のプロフェッショナルこそが、あの「阿倍晴明(あべのせいめい)」です。彼も『魔法辞典』に載っており、強力な「式神」を使役したと記されています。


まとめ:呪いは、人間の感情と共にある


こうして見ると、『呪術廻戦』で描かれる「呪い」の世界は、作者の完全な創作というわけではなく、古今東西の神話や伝説、そして現実の呪術体系にしっかりと根差していることがわかります。

「呪い」とは、突き詰めれば人間の「恐怖」や「憎悪」といった感情そのものであり、だからこそ私たちは『呪術廻戦』の世界にリアリティと、抗いがたい魅力を感じてしまうのかもしれません。

皆さんも、お気に入りのキャラクターの術式が、現実のどんな呪術に基づいているか調べてみると、新しい発見があるかもしれませんよ!

オサムでした。

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